仏道修行のゼロポイント

ゴータマ・ブッダの原像とヒンドゥ・ヨーガ

ウパニシャッド

”Mukha”の原像と『声門』という新たな焦点《瞑想実践の科学24》

(本投稿には解剖学的画像が含まれます) 前回私は、『コップと言うものの本質とは一体何だろうか?』と設問し、その答えを例示した。それはすなわち、何らかの液体の容れ物である事を可能たらしめる "開口し奥行きのある空処性" だった。 同じように "Mukha…

悪魔 vs 梵天:「不死の門は開かれた!」

前回の投稿では、その最後に「スッタニパータ :第二 小なる章・7バラモンにふさわしい事」の全文を引用し、また「長部・三明経」や「ブリハッドアーラニヤカ・ウパニシャッド」の当該部位をそれに重ね合わせ、その特徴的な心象世界について分け入っていっ…

『四梵住』とブラフマ・チャリヤ【後編】

ここしばらくウパニシャッド的な絶対者ブラフマンとゴータマ・ブッダの関係性と言うものについて、色々と考えて来た。 古ウパニシャッド文献とパーリ経典を同時並行的に対照しながら読み進めていると、もちろんこの両者には差異があるのだが、それよりもむし…

『四梵住』とブラフマ・チャリヤ【前編】

前四回にわたってウパニシャッド的な絶対者ブラフマンとゴータマ・ブッダとの関係性について、諸原典を引きつつ様々な角度から検討してきた。 それについて新たに判明した事実関係について補足しておきたい。前回私はいくつかのテーマについて考察しているが…

『真のバラモン』とゴータマ・ブッダ【後編】

前回の投稿では、絶対者Brahmanと梵天神Brahmāとの関係性に一応の決着をつけた後に、『真のバラモン(ブラーフマナ)』という表現あるいは概念について、ウパニシャッドとパーリ仏典の両面から迫ってみた。 そこでは『輪廻からの解脱』を巡って対照的な、大…

『真のバラモン』とゴータマ・ブッダ【前編】

前二回にわたって『ブラフマンとゴータマ・ブッダ』というテーマで記事を書いてきた。がその中でひとつの焦点になっていたのが、 「『Brahman』と『Brahmā』と『Brahma』が表記上明分化されていない、という事に関しての疑問」 であり、 「ウパニシャッド的…

『ブラフマン』とゴータマ・ブッダ【後編】

原始仏典のスッタにおいて、覚りに至ったブッダの事を『ブラフマン Brahman』という語を伴う呼称によって称賛し、ブッダの説いた修行道をブラフマンへ至る、ブラフマンになる道、と称するケースが随所に見られる。 このような、『ブラフマン』概念とブッダと…

『ブラフマン』とゴータマ・ブッダ【前編】

スワヤンブナートの仏塔ストゥーパ。ネパール、カトマンドゥ 前回の記事ではブッダの時代の思想史的・修道史的な前段階として古ウパニシャッドに焦点を当て、その核心部分とも考えられる『ウパーサナ』について検証し、その『実践』がゴータマ・ブッダの成道…

ウパニシャッドと『ウパース&ウパーサナ』、そして菩提樹下の禅定

ゴータマ・ブッダの心象風景をリアルに知るためには、彼に前後するウパニシャッド(及びヴェーダ、プラーナ、アーラニヤカ)についての大きな流れを知った上で、更に時代的にはブッダより後に発展したヒンドゥ・ヨーガについても学ぶ必要がある。 以前から基…