2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧
仏教だけではなく、あらゆるインド思想の核心に位置するドゥッカ(苦)の認識。そのドゥッカという語感の根幹には、『悪しく不完全に作られた軸穴を持つ車輪の、ガタガタとした乗り心地の悪さ』という原風景が広がっていた、と以前の投稿で書いた。 今回紹介…
初期パーリ仏典の中で、ブッダを称える定形表現について考える二回目。前回は眼ある人、世界の眼など眼に関わるものだったが、今回は太陽について。 仏典の中には、ブッダを「世を照らす者」「光輝ある者」「太陽の末裔」「光明を放つ」「雲を離れて照る太陽…
前回の投稿の終盤に「蓮という植物の総体は花(蓮華)も葉も根も茎もその全てが車輪の形を表している事を前提に車輪と同一視されていた」と書いた。 そこでは書きそびれたのだが、妙法蓮華経をはじめ浄土経、阿弥陀経などの多くの大乗経典には「大いなること…
ブッダの死後、数百年が過ぎる間に、社会現象としての仏教ムーブメントは、出家による瞑想修行実践から在家による信仰実践へと少しずつその比重を移していった事が知られている。 その中心となったのがストゥーパ信仰だ。 このストゥーパは、ブッダの遺体が…