仏道修行のゼロポイント

ゴータマ・ブッダの原像とヒンドゥ・ヨーガ

脳神経科学

「身体とヴィーナ」における『発声器官』、そして『純粋呼吸瞑想』《瞑想実践の科学25》

牛が「モ~」と鳴く時、その啼いている姿の全体像は、全身が一本の共鳴管、あるいはラッパの様に、腹腔・肺・気道・咽喉・口腔が一直線の管になったかのようにして、そのモ~という声を鳴らしている。 前二回にわたって、牛が鳴く姿と絡めて“Mukha”という言…

ゴエンカジーの偏頭痛と「Mukhaの周りに気づきを留めて」《瞑想実践の科学21》

ブッダの瞑想行法、そのメソッドの焦点となるのは、“五官・六官の防護” である。それがこれまでの考察から導き出された結論だった。 そしてブッダの瞑想法と呼ばれる『止観』のうちの “止(サマタ)瞑想” 、その具体的なメソッドの焦点になるのが、五官六官…

聖音オームと『母音』の関係

前回、私は以下のように書いた。 音節(シラブル)の中心となるのは母音だった。詠唱を構成する基本単位である音節の、さらに中心となるのが母音になる。 そしてオーム(AUM)が実際にヨーギやバラモンによって唱えられるのを聞くと「おぉーぅM」という感じ…

「苦脳」としての激流の大海 と『意官』

(本投稿内容には解剖学的図版が含まれます) しばらく続いたヴィーナ話から体内の輪軸世界に戻ろう。 前回までに私は、 「身体の中にある水において、最も重要なふたつ、それは妊婦において胎児をはぐくむ羊水と、明らかに他の臓器とは異なったありようを示…

快楽殺人といじめ 〜 文明が超克すべきマーラ

以前、凄惨ないじめとその結果としての自殺、と言う事件が続いていたタイミングで、この深刻な社会問題について若干の掘り下げを行ったので、今回は『いじめ』とその『根本原理』ついて考えてみたい。 最初にいじめの定義について、以下の公的機関の文言を見…

これはドゥッカの車輪である1

仏教だけではなく、あらゆるインド思想の核心に位置するドゥッカ(苦)の認識。そのドゥッカという語感の根幹には、『悪しく不完全に作られた軸穴を持つ車輪の、ガタガタとした乗り心地の悪さ』という原風景が広がっていた、と以前の投稿で書いた。 今回紹介…

ジル・ボルト・テイラー博士が経験した純粋右脳世界とニッバーナ

今回とり上げるビデオは、現役の脳科学者が克明に観察した自身の脳卒中体験だ。 私たちの意識(心)が、脳のファンクションである、という事が如実に分かる内容になっていて、とても興味深く観た。 今回は彼女の体験について感じた事を、つらつらと書いてみ…

アナパナ・サティ~呼吸意識の本質

脊髄と延髄が持つというその非情動性について、ここではまずブッダの瞑想法であるアナパナ・サティ(呼吸への気づき)との関連性から、呼吸中枢である延髄(+橋)の性質について考えてみよう。 「神の存在」という幻想(1) - 気の向くままに より、大脳辺…

ブッダの瞑想法とは魂のリカバリである

このインストールするセキュリティ・ソフト型宗教と対置される形で、もう一つ全く別の宗教形態が存在する。それが『アンインストールするリカバリ型宗教』だ。これは原理的に、この地球上で唯一カルトではない宗教になる。 全ての宗教はカルトである、という…

宗教とは何か?

宗教とは何か? NHKテレビで放送された『未解決事件File・オウム真理教事件』の中で、何人かの警察関係者が異口同音に語っていた言葉がある。 「まさか、宗教団体が、この様な反社会的な破壊的テロ行為を組織的に計画しているとは、想像もできなかった・・・…