仏道修行のゼロポイント

ゴータマ・ブッダの原像とヒンドゥ・ヨーガ

輪軸世界観

アートマンの棲み処と「こころ」の所在

(※本投稿には解剖学的な画像がふくまれます) 本ブログではこれまで、インド思想の核心とも言える「苦である輪廻からの解脱」、その立脚点である苦、すなわち『ドゥッカ Dukkha』という概念が、『車輪』という事物と密接に関わって生まれたという事実を繰り…

ヴィシヴァカルマン賛歌にみる世界の測量と建造、そして出生

前回に引き続き、今回も中村元先生の選集「ヴェーダの思想」より引用しつつ、古代インド人がイメージしていた『世界の創造』について、色々と考えていきたい。 アーリヤ人は、知識程度が高まると共に、宇宙はどのようにして創造されたか、という問題に思いを…

輪軸世界観と一元論・二元論

これまで私は『輪軸世界観』というものが、如何に汎インド教思想の根幹を支える重要なものであるか、という事についてくどいほど言及して来た。 今回は、インド教世界の中で長きにわたって論争が繰り広げられてきた「一元論・二元論」と『輪軸世界観』、とい…

輪軸世界観からみた「聖音オーム」とブラフマン

前回の流れで、聖音オームと絶対者ブラフマンの同一視について考えてみたい。 以下、中村元選集第9巻 ウパニシャッドの思想 P40~ 抜粋 ヴェーダ祭儀における祈祷の文句は、聖音(オーム)のうちに集約的に表現されている。祈祷の文句をつづけて唱える場合に…

『世界の起源』『輪廻の現場』としての大水(胎)

(本ブログ記事には解剖学的な画像が含まれます) 今回投稿はYahooブログ「脳と心とブッダの覚り」2014年7月15日記事を移転するものだが、既に本ブログ「仏道修行のゼロポイント」に投稿した内容と若干の重複部分がある。 けれど、くどいようだが最も重要な…

大地の車輪としての『骨盤』:これはドゥッカの車輪である2

(今回投稿には一部リアルな解剖学的画像が含まれます) 前回投稿では、大宇宙(マクロ・コスモス)を直立した輪軸に喩える世界観から身体(ミクロ・コスモス)にも輪軸構造が内在する、という思想が導かれ、その中で天界に重ねられた頭蓋の底部に六本スポー…

煩悩うず巻く激流の大海と『身体』

前回投稿では、日本でも人口に膾炙している『彼岸』と言われるものが、一体何処にあるのか?という点について、須弥山世界観を参照しつつ古代インド人の心象風景に基づき紐解いてみた。 今回は、その須弥山世界観の適用範囲をもう一段拡大しつつ『煩悩激流の…

『彼岸』は何処にあるか?

私たち日本人にとって最も人口に膾炙したなじみ深い仏教用語に、『彼岸』という言葉がある。これは第一には春と秋年二回のお彼岸であり、主に先祖供養と結びついた仏事として私たちの生活に定着している。 以下Wikipediaより、 彼岸(ひがん)は、雑節の一つ…

これはドゥッカの車輪である1

仏教だけではなく、あらゆるインド思想の核心に位置するドゥッカ(苦)の認識。そのドゥッカという語感の根幹には、『悪しく不完全に作られた軸穴を持つ車輪の、ガタガタとした乗り心地の悪さ』という原風景が広がっていた、と以前の投稿で書いた。 今回紹介…

太陽の末裔・世界を照らす者:スーリヤ・チャクラと、瞳と蓮華と光背と

初期パーリ仏典の中で、ブッダを称える定形表現について考える二回目。前回は眼ある人、世界の眼など眼に関わるものだったが、今回は太陽について。 仏典の中には、ブッダを「世を照らす者」「光輝ある者」「太陽の末裔」「光明を放つ」「雲を離れて照る太陽…

車輪と蓮華と『眼』とストゥーパの重ね合わせ

前回の投稿の終盤に「蓮という植物の総体は花(蓮華)も葉も根も茎もその全てが車輪の形を表している事を前提に車輪と同一視されていた」と書いた。 そこでは書きそびれたのだが、妙法蓮華経をはじめ浄土経、阿弥陀経などの多くの大乗経典には「大いなること…

ブッダ存在を象徴するシンボリズムとその背景思想

ブッダの死後、数百年が過ぎる間に、社会現象としての仏教ムーブメントは、出家による瞑想修行実践から在家による信仰実践へと少しずつその比重を移していった事が知られている。 その中心となったのがストゥーパ信仰だ。 このストゥーパは、ブッダの遺体が…

身体の中の須弥山「輪軸」世界

大宇宙世界の中心車軸を万有の支柱スカンバとしてブラフマンに見立て、転変輪廻する現象界を車軸の周りで回転する車輪に見立てる。 「不動なる車軸(世界の支柱)をプルシャ=アートマン=ブラフマンと重ね合わせ、躍動する車輪を輪廻する現象世界プラクリテ…

スカとドゥッカの原風景

スカとドゥッカの原風景 私はこれまで様々な事例を挙げて、古代インドにおいていかにチャクラ(車輪)と言うものが重要な意味を持っていたかについて語ってきた。 そのチャクラ思想の起源は、インド・アーリア人の祖である、スポーク式車輪を世界で最初に開…

ラタ戦車を駆るアーリア・ヴェーダの民と『聖チャクラ(車輪)』

インド人にとっての輪軸のアナロジーがもつ重要性とその意味を、本当に実感を持って理解するためには、まずは車輪がインドにおいてどの様な存在だったかを、様々な角度から理解しなければならないだろう。 それにはまず、歴史的な理解が必要だ。この木製スポ…

世界の車軸(支柱)としての『ブラフマン=至高神』

『あらゆるインド思想の核心には、車軸と車輪のアナロジーが潜在している』 そう言ってもたいていの人にはいまいちピンとこない事だろう。 車軸と車輪の構造デザイン・機能は、インド思想の核心だ。Rath-Yatra-18 - Rath Yatra Live from puriより インド武…