ヴェーダ
前回に引き続き、今回も中村元先生の選集「ヴェーダの思想」より引用しつつ、古代インド人がイメージしていた『世界の創造』について、色々と考えていきたい。 アーリヤ人は、知識程度が高まると共に、宇宙はどのようにして創造されたか、という問題に思いを…
インド音楽の起源とも言われるサーマ・ヴェーダは、ヤジュナと呼ばれる犠牲祭(供儀)を盛り上げるボーカル・ミュージックとして発展・形成されたもので、この時、このヤジュナの歌詠の伴奏を務めたのが、ヴィーナと総称される弦楽器だった。 そしてその歌詠…
本論に戻ろうと思ったのだが、どうもヴィーナという楽器の成り立ちについて気になって仕方がない。前回引用した、 There is a beautiful analogy, in the rig veda, between the God-made veena, the human body, and the man-made one.リグ・ヴェーダには神…
前回私は、A symbolic approach of Veena からの引用で以下のように書いた。 The Vedic representation of the human spinal cord as the musical instrument (Veena) . 意訳:ヴェーダ的な脊椎骨の連なりのひとつの表現形がヴィーナという楽器なのだ。 なん…
今回は『箜篌(くご)』の喩え、というエピソードを取り上げたい。仏教についてある程度学んだ人なら、誰でもが知っているだろう、あの絶妙なる喩え話だ。 パーリ律蔵(Vinaya) 大品(Mahavagga) 「ソーナよ。 汝はどう思うか? もしも汝の琴の弦が張りすぎ…
ゴータマ・ブッダの心象風景をリアルに知るためには、彼に前後するウパニシャッド(及びヴェーダ、プラーナ、アーラニヤカ)についての大きな流れを知った上で、更に時代的にはブッダより後に発展したヒンドゥ・ヨーガについても学ぶ必要がある。 以前から基…